「運動しないとね…」
これは、来院される方からもよく聞く言葉です。
肩こりや腰痛など、体の不調を改善するために「運動した方がいい」と思っている。
でも、ジムに行ったり、歩いたりする時間がなかったり、そもそも運動をすること自体を負担に感じたり…。
この記事を読んでいる方の中にも、そんな方がいらっしゃるのではないでしょうか。
もしそうなら、「そもそも運動って…」と「運動」というものについて見直してみてはどうでしょうか?それだけで運動がしやすくなるかもしれません。
今回は、そんな「運動」について掘り下げて考えてみたいと思います。
■そもそも運動って…
「運動」と聞いて、どんなものを想像するでしょうか。
ジムに行ったり、歩いたり、ラジオ体操…人によって、思い浮かぶものはさまざまだと思います。
「30分以上歩かないと運動とは言えない」
「汗をかかないと運動したことにならない」
「ジムに行って筋トレをしないと意味がない」
もし、そんなふうに考えているとしたら、運動というものの基準が高くなり過ぎているかもしれません。
そして、それが運動をしにくくすることにつながっているかもしれません。
目的が、ダイエットやボディメイクなら、ある程度の運動量や強度が必要になることもあります。
ですが、肩こりや腰痛など、不調の改善を目的とするのであれば、必ずしも激しい運動をしないといけないというわけではなのです。

■「運動=筋肉や関節を動かすこと」
たとえば、よく例に出す “貧乏ゆすり”。
股関節を小刻みに動かす運動で、変形性股関節症に良いと言われます。
肩を回すのも、肩こり改善のための運動にもなります。
こうやって考えると
「運動とは、筋肉や関節を動かすこと」
と考えることができます。
いつの間にか「運動とは、こういうもの」と高い基準になっていたのを、見直し、再定義することで、運動に対する考え方を変えるのです。
それによって、今まで思っていたよりも簡単なものに「これも運動なんだ」と思えるようになれば、運動も気軽にしやすくなるでしょう。
■目的や状況によって運動は分類することができる
一口に「運動」と言っても様々です。
「ダイエットやボディメイクのための運動」
なけでなく
「不調改善のための運動」
というのもあります。
また
「時間があるときにできる運動」
「器具がないとできない運動」
もあるけど
「時間がないときにできる運動」
「どこでもその場でできる運動」
もあります。
このように運動は、目的や状況などによって分けることができるのです。
これがもし
「運動しないと…」
と思っても
↓
「運動とはこういうもの」
と高い基準のままだと
↓
「でも時間がない」「きつそう」
と思い
↓
「やった方がいいと思っててもなかなかできない」
となってしまうこともあるでしょう。
そしてそれは、「運動へのイメージ」が大変なものになって、やりにくくなるだけではありません。
「できない自分はダメだ」
「やらないから、やっぱり良くならない自分」
という風に、悪いセルフイメージが根付くきっかけにもなることもあります。
そんなセルフイメージを変える効果も、運動を再定義することにはあるんだと思っています。

■運動を再定義すると、できることが増える
運動の考え方を変えて、「こういうのも運動なんだ」と思えることができれば、「こういうときに、あれができる」というのが増えて、いつの間にか習慣になることもあります。
実際に、習慣になっている方には、
お風呂・トイレ・バスを待ってるとき
寝る前・起きた時・タバコを吸ってるとき
など、自分なりに「こういうときに、これをしてる」という方が大勢います。
“慢性的な痛みのほとんど原因は「持続的」「繰り返し」の負担によるもの”
とも言われますから、スキマ時間を使って、塵を積もらせて山にする方が、始めやすく、長続きしやすいのかもしれません。
■運動にもオススメ「型から入る」
また「運動しないと…」と思っている方の中には、
「やる気が出たら…」
「気分が乗ったら…」
「時間ができたら…」
と考える方もいるでしょう。
しかし、これだとなかなか始めることができないのではないでしょうか?
同じように、
「した方がいいと思ってるけど、手間だな」
「気持ちあるけど、面倒だな」
と思っている方もいると思います。
そんな方にオススメなのが「型から入ること」です。
これは「意味や理由はよく分からないけど、こうするものだから、こうする」というように、深く考えずにするというような意味です。
今回のお話しに沿った言い方なら、「手間、面倒と思う心や頭でなく、とにかく体を動かす」ということです。
例えば、掃除などで、「面倒だと思ってたけど、イヤイヤでもやり始めたら波に乗ってきて、どんどんやっちゃった」という経験があるのではないでしょうか?
運動もそんな風にするということです。
「手間」や「面倒」という気持ちを主動にしてしまうと、体はそれに従って動きません。
だから
「とにかく外に出る」
「とりあえず1回やる」
という風に体を動かすのです。

■「面倒な自分」は、そのままいてもいい
そんな風に、体を主動にして運動するときに大切なのが、
「面倒だと思ってしまう自分はダメだ」と考えてもいい
ということです。
面倒なら、面倒なままでいいんです。事実、面倒だと思ってるんですから。
それに「運動した方がいいと思っている自分」と「面倒だと思っている自分」の両方がいるのですから。
そして「面倒だと思っている自分」の声を無視したり否定せず、ちゃんと聞いてあげながら「運動した方がいいと思っている自分」に従うのです。
「面倒だな…でもとりあえず…」という感じです。
また「運動」というものを重く考えすぎてる場合もあるので、「面倒だけど、やった方がいいと思うから、とりあえずやるか」くらいの軽い気持ちもいいのです。
( 「その代わり、ちょっとしかやらないけどね」くらいに(笑) )
なんなら、
「やりたくないけど、あの先生がやった方がいいって言ってたからやるんだ!」
「そんなにやった方がいいなら、逆に試してやる!」
というように、自分が好きでするのでなく、誰かの責任にするように、仕方なくするくらいでもいいと思います。
そんな心や頭よりも体動にしたり、発想を変える方法もあるのです。
■頭でなく体を主動にする
・ジムに行かないとできない
・誰かに強制されないとできない
・本当に困らないとできない
そういう方ほど、型から入るのがオススメです。
なぜなら、自分の意志や気分ではなく、場所や他人、状況などに頼った方が、やりやすい傾向があるからです。
自分の意志や気分に任せていると、なかなかできません。
だから、「とにかく外に出る」「とりあえず1回やる」という風にして、自分でそういう状況を作ってしまうのです。
それが「型から入る」こと。
心や頭でなく体を主動にすることなのです。
■やれないのは、必ずしも意志が弱いからとは言えない
人間の脳は、慣れていないことや、予測できないことに対して、不安を感じる性質があります。
そして「やらない理由」を考え出して、やらない方(慣れた方)へ導こうとします。
「暑いから、涼しくなってからにしよう」
「今日は忙しいから、時間のあるときにしよう」
など。
だから、やれないのは、必ずしも意志が弱いからとは言えないのです。
そして、そんな頭の声に従わなくていい場合もあります。
例えば、車のコーナーセンサー。
「もう少しでぶつかりますよ!」と教えてくれる便利な安全機能ですが、ときには「分かってるよ!」と思い、それを無視して車を動かすこともあります。
「やらない理由」が浮かんできたときも、それと同じようなものと言えます。
「慣れてない、予測できないことをして、体が危険にさらされるかもしれないから」と、安全装置が反応していると言えるのです。
ですが、安全のための機能も、どんなときも従わないといけないということではありません。車のコーナーセンサーのように無視しても大丈夫なときもあります。
運動も、本当にできないときは、直感的にも状況的にも無理だと思うでしょう。

■良くも悪くもスゴイ「習慣」の力
そして、もう1つのできない原因に考えられるのが「習慣」です。
ひょっとしたら経験されたことがある方もいるのではないでしょうか。
「運動が習慣になっているときは、運動できないと体がムズムズするけど、運動ができない状況が続いてそれが習慣になると、今度は運動するのが億劫になる」
よく言われることですが、何かを始めるときは、その始めるときが1番大変なのです。自転車をこぐときのように、初めに1番大きな力が必要になるのです。
また、「した方がいいと思ってること」「面倒だと思ってること」をしたときの達成感。
これは自信に繋がり、「ひょっとしたら今より良くなるかも」と思えるきっかけにもなるかもしれません。
先ほど少しお話ししたように、セルフイメージもが変わることもあるのです。

■最後に
「運動しないとね…」と思っているのに、なかなかできない。
そんな方は、「そもそも運動をどういうものだと思っているか」を考えてみませんか?
ひょっとしたら、もっと簡単で、少しでいいのに、「こうでないとダメ」「この方がいいに違いない」と自分でハードルを高くしている可能性もあります。
実際に、私が教えるセルフケアもそうですが、雑誌やSNSなどで紹介されてる肩こりや腰痛などの運動で、簡単なものもあるはずです。
「不調改善のための運動なら
もっと簡単なものでいい…」
「貧乏ゆすりだって、
立派な運動なんだし…」
「意志が弱いのでなく
運動に対する考え方なのかもしれない…」
「習慣の力が強かっただけなのかもれない…」
「もっと楽して良くなるかもしれない…」
そんな風に考えてみませんか。










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